blog -起承転結-
2022/05/18
副校長の春夏秋冬_5
姫路女学院中学校・高等学校に着任してから1か月半が経過しました。姫路女学院は、地域社会の期待を受け、刻々変化を続ける社会に対して有能な人材を送り出すという使命があることを実感しています。5月の連休明けから、姫路市内の中学校の関係者の皆様から直接意見を聞かせていただく機会が増えてきました。2020年春、兵庫県播磨高等学校から姫路女学院高等学校になり、これまでと変わらぬ「思いやり」や「心づかい」を身に着けるための教養の学びに加え、新たにリベラル・アーツ教育にも力を入れることで「国際教養人」して社会に巣立つ生徒になってもらいたいと願っています。
2021年から、姫路女学院では中学校の生徒の皆さんを定員30名として募集し、中学校・高等学校の6年一貫教育も始まりました。学内のさまざまな行事でも中学校・高等学校の生徒が一緒になって取り組む光景もみられるようになり、高校生の先輩生徒たちにとっては新たな風が中学校の生徒の皆さんから送り込まれています。
5月のある日、技術教室の外をとおりかかると中学校技術担当の先生が黙々と作業をしているところを見かけました。先生によると、中学の授業で傘立てを制作することにしているとのこと、その製作のために各生徒に渡す材料をどのように使ってみるか、材料準備のヒントとして、組み立てのパーツづくりの例を制作中でした。もちろん「自分が示すヒントにそのまま従う必要はないんです」とのことで、中学校の生徒がグループに分かれて、傘立てをどのように製作するのか楽しみになってきました。
私は先生とともに、朝一番で学校の正門に立って、雨の日も風の日も登校してきた生徒のみなさんの表情をみながら挨拶の声をかけるようにしています。授業だけでなく、生徒の学校生活全体にも目をくばりながら、姫路女学院の生徒に丁寧に向き合う姿は、すべての先生たちがこれを心がけています。一日のはじまりから、学校生活、そして必要がある時には、生徒の補習指導に至るまで、学校内のあちこちで生徒と教師という平面的な関係を超えて、「寄り添い、これに応える」という人間同士の親身な関係がみられます。私が校外に出て、地域社会の皆さまからいただく姫路女学院への期待の声は、2020年の姫路女学院のスタートのタイミングで突然出てきたものではありません。100年を超える長い歴史の中で、地域社会に揺るぎない存在感があるからこそで、期待の高さに身の引き締まる思いです。