姫路女学院のリベラルアーツ教育
多様性を理解し、主体的に判断して
行動するための学びを深める
大学の教養教育に取り入れられることが一般的だったリベラルアーツを姫路女学院では、中学生、高校生に適した形で学んでいきます。人生でもっとも多感な中学・高校時代にこそ、自由に思いをめぐらせ、自由に考えを深めるリベラルアーツが必要と考えるからです。隔週土曜日のリベラルアーツ・デーを中心に「なぜ?」「何のために?」を追求。国際的な分野で活躍する外部講師陣とともに現代社会の課題を見つめ、多様な文化への理解を深めることで、みずから思考する3つの力を育てます。
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- 疑問力
- 既存の価値観や常識を疑い、正しいかどうかを考察して判断する力。
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- 意思力
- 多様化する価値観の中で主体的に考え、自分なりの世界観を見出す力。
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- 構成力
- 知識や情報、人間関係を有機的に結びつけて道筋を構成する力。
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ギリシャ・ローマ時代の「自由7科(文法・修辞、弁証(論理)、算術、幾何、天文、音楽)」が起源。一つの分野を専門的に学ぶだけではなく、幅広い知識を身につけることで、さまざまな問題に対し総合的にアプローチできる人材育成を目標とする教育のこと。
リベラルアーツ・デー
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- SDGs基礎
- SDGsの17のゴールからさまざまな社会課題を取り上げて、クラス単位でディスカッションを中心とした活動を行います。
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- リサーチ・デザイン
- 生徒一人ひとりが興味のあるテーマを選択。リサーチクエスチョンを立て、実験や調査インタビューなどで理解を深めた後、研究発表を行います。
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- リベラルアーツ・ゼミ
- さまざまな分野の第一線で活躍されている方を外部講師として招き、専門分野のゼミを開設。生徒は全17のゼミから希望するゼミに所属し、現在進行形の社会課題を扱いながら社会とつながります。
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- 音楽教養
- 世界的に活躍する音楽家が講師を務める特別授業です。音楽をより学術的に文学的に学ぶことで、芸術を鑑賞することの意味深さに触れます。
リベラルアーツ・ゼミ
<ゼミ例>
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- 石鹸作りで学ぶSDGs講座
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鈴木圭介先生(庭園デザイナー) 菅野沙織先生(ブランディングコンサルタント)
環境配慮型のSDGs石鹸を使って、商品のコンセプト設計、商品作成、販路構築などを生徒主導で行い、収益の一部で社会貢献活動を行います。この活動を通じて、SDGsとはどんな活動かを身を持って体験し、すべてのことを他人事ではなく、自分事としてとらえ、自分の選ぶものに責任を持つことで自分自身と世界とのつながりを感じます。
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- 番組をつくろう!阪神淡路大震災の記憶の継承 インタビューで世界へ発信
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久保田智子先生(オーラルヒストリアン、元TBSアナウンサー兼記者)
阪神淡路大震災を経験していない若い世代ができることとは?このゼミでは生徒が記者になり、ディレクターになって、震災を経験した方の証言を集め、テレビ、ラジオ、ネットで番組を制作。世界に発信し、後世に残します。活動を通じて地域で起きたことを継承し、インタビューや取材を経験することで今後に役立つ想像力・聞く力を養います。
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- 建築家と考える すまい 建築 まち 都市
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岩田章吾先生(武庫川女子大学生活環境学部教授)
私たちは生まれてからこの世を去るまで、常に建築に囲まれて暮らしています。では、建築についてどれくらいのことを知っているでしょうか?このゼミでは、建築とは何か?その役割や魅力について知ってもらいます。そして、建築を通じて皆さんの住まいや街について、皆さんの暮らしの今とこれからについて一緒に考えていきます。
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- コンサートを作ろう 創立100周年記念チャリティコンサートを企画しよう
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坂本真由美先生(ピアニスト、東京藝術大学講師)
コンサートを聞きに行ったことはあっても、作ったことはないと思います。ひとつのコンサートを成功させるには多くのプロセスが必要で、運営に関わる一人ひとりの発想力、交渉力、実行力が求められます。人をひきつけるような面白い企画をみんなで考えて、地域の人たちに喜んでもらえるチャリティコンサートを一年かけて作ります。
リベラルアーツ・サマープログラム
授業では学べないことを学ぶ
1年 植村心香
私はリベラルアーツ・サマープログラムで学校の授業では学べないようなことをたくさん学びました。いちばん印象に残ったのは、1分間プレゼンです。発表する内容を考えるのにとても苦労し、完成した文章を覚えて読むのも難しく、ずいぶん練習しました。また、自分を知るという授業では、小学生の頃に喧嘩をした過去を振り返りました。これまでずっと嫌な思い出でしたが、今回の授業であのできごとがあったから人にしてはいけないことを学べたのだと実感しました。